レモン 今年に入って、患者さんからレモンを一個いただいた。昨年の春、患者さんのお宅の庭に花が咲き、2つのレモンが実をつけたことを聞いていた。診察のたびに、レモンの育ちを報告してくれて、見事に育ったら1つあげると言ってくれていた、そのレモン。 眺めていると、若い日、御茶ノ水の建て替え前の古い丸善の書棚に、梶井基次郎を気取ってレモンを置いたことを思い出した。 梶井の檸檬は黄色い爆弾という幻想だったけれど、このレモンは穏やかなやさしい香りがした。 ▲ブログトップへ